うずらは、古くから世界各地に生息しており、紀元前3000年頃のエジプトの壁画にも残されております。また、わが国でも古事記、万葉集にうずらの記述があり、その後、絵に書かれ詩に歌われ、江戸時代には豪快な泣き声を楽しむために飼育されていました。
 野鳥のうずらが家禽化されたのは江戸時代であるが、採卵用として飼育され出したのは明治中期と言われています。豊橋地方で飼われるようになったのは大正10年頃からで、ここで自然交配させた雛が戦後全国各地に広まりました。又、海外(ブラジル・東南アジア)にも輸出されてきました。

 当地方でうずら飼育が盛んになったのは、
(1)気候温暖で飼育に適している。
(2)元来、養鶏が盛んで関連産業としての飼料・設備業者等が多い。
(3)東京、大阪の二大市場の中間に位置し、交通の便が良い、などがあげられます。
 うずらは、2キロほどある鶏と比べると随分小さいが、病気にはかかりにくい。
ただ、冬場の保温や換気、毎日の除糞が欠かせないうえに、餌や水をきらさないように注意しなければならないなど管理が難しく、飼育は敬遠されがちであった。しかし最近では、飼育施設の改善や設備の機械化(給餌・集卵・除糞の自動化)が進み、安定した需要にも支えられ、大量飼育をする農家が増えている。かつては多くの鶉舎が市街地にあって、そこから発生する臭気により地元から苦情がでたこともあったが、鶉舎を郊外に移転させたり(豊橋市高塚町にうずら団地を昭和54年に完成)飼育方法の工夫により多くの業者が好環境の下で生産の効率化に努めており、うずらの主産地として今日の発展を見るに至っています。
 一方、うずらの糞を醗酵させたものは肥効が高く果樹類の甘味を増すといわれています。その他、特産品の肥料としてハウス栽培に多く使用されています。
また乾燥させたものは、全国に送られ大根・白菜・キャベツ・じゃがいもなどの肥料として使用されています。こうしたなか、環境保全型循環農業システムの確立を目指して豊橋養鶉農業協同組合では大型の養鶉長期醗酵処理施設を完成(平成9年3月)させました。ここで生産される醗酵堆肥は肥料と土壌改良剤としての2面性があり、ハウス栽培等の特産品の他、ゴルフ場や野球場のグリーン
(芝) などにも利用されています。
 うずらの他の生産県としては、千葉・埼玉県などがあげられます。

業者数等
 豊橋地区  約45業者
 飼養羽数  約500万羽
 年生産額  約55億円
区分
うずら
 体      重
130〜150g
1,700〜2,000g
 平均初産日齢
約40日齢
約150日齢
 卵      重
約10.5g
約60g
 卵重 / 体重
8%
約3%
 年 間 産 卵 率
75〜80%
75〜80%
 ビ タ ミ ン B1
137μg
49μg
 ビ タ ミ ン B2
1100μg
500μg
 ビ タ ミ ン A
1180μg
780μg
 カルシュウム
76mg
52mg
     鉄
404mg
88mg
 アスパラギン酸
1.16g
0.79g
 (100g当たり)    
 愛知の養鶉家の中には、法人組織の大規模業者もあるが、大多数は個人経営で、専業家の割合が高い。以前はうずらの卵価は季節変動が激しいと言われていたが、近年では年間を通して平均した卵価を維持しています。加工業者向けの割合が多いこともあって比較的価格変動の少ないのが特徴です。生卵の相場は4月頃から気温の上昇とともに上がりに向かってピークを迎え、他の時期は落ち着いたものとなります。


 うずらの発育は非常に早く、4〜5日で餌付け時の倍の体重になります。(鶏では8〜9日かかる)さらに、初産日齢も鶏に比べて早く平均40日前後です。また、小躯大卵で、鶏は体重の3%程度の卵重であるが、うずらでは約8%にもなります。
 一方、卵の成分は鶏卵とよく似ておりますが、良質のたん白質の他、特にビタミン、ミネラル・アミノ酸は鶏卵の約2倍(単位当たり)もあり、栄養価の優れた食品であります。


 愛知県はうずら卵の生産では全国シェアの約70%を占め、さらに豊橋地域は、県全体の約80%を占めて全国一の産地を形成しています。現在、豊橋地域では45戸の養鶉農家が約500万羽を飼育しており、1日当たり350万個余の産卵量となります。
 各農家から出荷された卵の約70%は加工食品としてゆで卵にされ殻をむいた状態で、水煮として袋詰めや缶詰にされています。あとの30%は洗浄され衛生的な生卵としてパック詰めされ出荷されています。
 豊橋には全国で唯一のうずら専門の農協、豊橋養鶉農業協同組合(GP・JAS認定水煮工場・孵化施設・肥料工場の一貫総合施設を備えている)があり、積極的に拡販・産地PRに力を入れている。
又、健康飼育の農場からは滋養健卵(じようけんらん)としてブランド化を図っております。